曇り 時々 晴れutu


子供の頃 昆虫をもてあそんで 弱らせてしまった
昆虫はボロボロになり それでも壊れた体を引きずり歩いていた


仕事先の 僕ら担当の役員が 病院で鬱と診断された
もうポックリ逝っていい と彼は言うが
来年大学に行く子供のために まだ働かねばならないとも言う


仕事柄 民家の裏に回りこみ人通りの無い 寂しいところへ行く
そういうところには よく猫がいる
今日 ガリガリに痩せ 目の病気にかかった猫を見つけた
きっと人間に見放されたのだ そうでもなければ あんなみすぼらしくなるはずが無い
しかし 猫は僕の呼びかけに答え すり寄ってきた
それが生きる術だと知っているのか それとも人間との関係を良きものと思っているのか?


幼くして難病にかかり 入院して投薬しなければいけなくなった少女がいた
両親は娘につきっきりになり 見も心もボロボロ 医療費も馬鹿にならず
これからどうしようか? まさか見捨てるわけにも 殺してしまうわけにもいかない
でもこのままでは みんなボロボロになってしまう
そんな時 少女は言った
「おとうさん わたし 死ぬのこわくないよ」


生きていれば いずれ死ぬ
死ぬ事など恐れない
生きようとする心には 僕らのDNAに刻まれた 生存本能が働いているのだ
死は 解放だ 長く辛い生からの解放
そこにつらい事など何も無い
死んでしまえ そうすればいい そうすれば全てわかる
でも何のために生きているのか それが重要ではないのか


頭は死んでからでは 使えない
どうせなら それを考えてから死ねばいい