十七日 日記と体重測定:80.5*22

ちかよるにゃー!

前回差 +0.5
前々回差 -0.5


そう うちのバアさん死んだんだよ
去年の9月25日 丹波哲郎さんと同じ日に 嫌だと言いながらもずっと一緒だったジイさんの命日の翌日に
近所の一番仲の良かったバアさんとみちずれに…
最近 よくバアさんの住んでた都営団地の近くを通るんだ 僕はその度にバアさんのことを思うよ
「あぁ ばあちゃん元気かなぁ」って
バアさんは現実の世界ではもう死んでなくなって 体は灰と骨になって その骨はジイさんの隣に墓の中に入っているけれど 僕の心の中ではまだバアさんは生きてるんだね
まだ バス停からうちまで年寄りには少し長い距離を歩いて来て「あぁ お前んちは不便だな」なんて言うんだよ
僕になんて全くほとんど興味が無くて 親父に会いにうちに来るんだよ いくつになっても自分の子供が心配なんだな
いろいろ大変で愚痴をこぼすから「じゃあ ばあちゃんもうちで一緒にくらせばいいじゃん」って僕が言うと ここは不便だとか ここは寒いだとか 友達が居るから とかなんだかんだ言って断るんだ
バアさんが来るたびいっつも同じやり取りなんだよ 今思うとそれはバアさんの「確認」なんだろうね
常にどこかイベントや温泉を飛び回って遊んじゃあ 連絡取れなくなって親父が心配してさ 携帯電話なんて使い方がわからないから持たないんだってさ
口癖は「おれはいつ死んでもかまわねぇ」でさ 潔さをさりげなくアピールするんだ
でも死ぬ前の日にまだ死にたくねぇなぁって言ったって 僕の母親が言ってたよ
死に顔を見たし 葬式もしたし 灰も骨も見たし お経もあげたよ でもまだ僕の意識の先には生きてるバアさんが居るんだな
やっぱり まだ バアさんは死んでないんだよ きっと
あの世も 約束の地も 死後の冥福も 幽霊だって僕は信じないけど 「草葉の陰」って概念は受け入れられるんだよね
バアさんもまだ草葉の陰から親父の事見てんじゃないかな ジイさんに会いにいくのはそれから
頑固だからね 親父も 僕も それを受け継いでるからよくわかる 感じるんだよ
また墓参りにいくよ バアさんは墓の中には居ないから 僕らが墓に手を合わせる様を見て笑うんだろうな