前に勤めていた運転手の多くいる会社の話
僕が所属していたK営業所は運転手が10人ほどで 僕のいた2年間で事故を起こした数がたった1回でした その事故も対物事故で起こした人間も一番若い運転手でした
たいしてS営業所は運転手が30人ほどで 同期間内毎月のように事故を起こしていました その事故は対人対物問わずで 熟練運転手も事故を起こしていました
運転手の人数はSはKに比べ3倍ですが 事故の件数は3倍では済んでいません 一体 両営業所の違いはなんだったのでしょうか?
もちろん 運転手の質が違いました K営業所の運転手は皆 運転のみで何十年もご飯を食べてきた 派遣の運転手でその腕を見込まれてK営業所に呼ばれました そんな人達でした
しかし僕が思うに 別の原因があったように感じます それは営業所の所長の違いだったと思います
K営業所の所長は某鉄道会社の天下りで 会社内で何かと肩身が狭く本社から目をつけられていた人間でした
でも 仕事は一生懸命で 毎朝4時から働いている運転手達に 出庫時は笑顔で送り出していました
S営業所には派閥があり 所長と副所長の派閥がありました 両者は互いにポイント稼ぎをして争いあっていました
怖いのはポイントが減点される事で 事故を起こすとポイントが大幅に減らされました
ですから 両者はそうさせないよう 朝から運転手達に目を吊り上げながら小言をいっていました

両営業所の運転手は朝 出庫する前 営業所内でどんな気持ちでいたでしょうか?
リラックスして出庫したK営業所の運転手と 嫌な気持ちで出庫したS営業所の運転手
なぜS営業所が多く事故を起こしたのか もうお分かりだと思います
仕事ってやつには それぞれ適した精神状態ってもんがあります この場合運転手はリラックスして運転した方が事故が少ない事がわかります
当然 リラックスばかりではなく 常に緊張してやらねばいけない仕事もあると思います
そこら辺はどうなっているのか? それを考え K営業所の所長は常に運転手の気持ちを持ち上げて 事故を減らしたわけです
時には派遣の運転手に 馬鹿にしたような事を言われた事もありましたが それでも我慢して笑顔で送り出そうと勤めました

上に立つ人間は 厳しく絶対的である必要があるでしょうか?
一体 何を望んでいるのか? 重要なのは滞りなく利益が上がることで 利益を無理に確保しようとして逆の効果を出しては意味が無いのです
何より 自分のエゴを肥大させ 立場を守る為に自己の保身ばかりをするような人間に誰がついてゆくでしょうか?
「自分は味方であり 自分が君を守るから 精一杯頑張って 仕事をしてください」
その言葉だけで 下の人間がどんなに勇気付けられ 安心して仕事ができるか
上司に恵まれないかわいそうな僕はそう思うのです

ちなみに 先日K営業所の所長は成果を本社に認められ エース営業所のE営業所の所長になりました
これで安心して定年退職できるでしょうね